文芸部

リレー小説②

/ 文芸部

どもども、2番手カナトです。“まだ”ネタパート★

 

パパに着いて隣の部屋に入ると、美しい女性が居た。恐らく“ママ”なのだろう。その姿が女神のように見えるのは、確実に私にインプットしたのがパパだから。主観が入りすぎている。

「あら、おはよう。」

「名前ください」

パパにははぐらかされたので、率直にママに聞いてみた。ママはきょとんとした後、「やっぱりこの人のネーミングセンス駄目よねぇ…」と呟く。そして私をしばらく眺めた後、

「57番目…5、7…コ●ンとかどう!?名探偵のような頭脳(プログラム)!」

「君絶対人のこと言えないよね!?あと娘だって!!」

ネーミングセンスが終わっているのは夫婦共通らしかった。

「まぁ……名前は後でいいです。私は何のために作られたのですか。」

そう尋ねた瞬間、一瞬2人の顔が曇った気がした。

「まぁ……とりあえずは、僕たちの“娘”として過ごしてくれ。」

「そうそう、欲しいものは何でも買ってあげる!」

……まぁ、目覚めたばかりのわたしはまだ知らないことも多い。後からいずれ分かるだろう。

「……そういえば、この子がこの部屋を愛の巣って呼んでたけど。…あなた、一体何をプログラムしたのかしら??」

「ギクッ……いやぁ、ほら、ね?一応は必要知識というか…」

パパは見るからに目線をそらした

「愛の巣で生まれた子…」

「言い方言い方」

「アイ!この子の名前、アイにしない?」

「なんでだろう、由来は不純なのにすごい良い名前ができたね。」

どうやらわたしの名前が決まったらしい。

「アイ……わたしは“AI”ですから、そこもかかってますね。シンプルで良い名前だと思います。」

「おお、ほんとだ!」

「やっぱりうちの子天才じゃない!?」

こういうのを親バカと言うのだろう。それと、わたしはプログラミングされているのだからその場合天才なのはこの2人なのでは。

「とりあえず、ご飯食べる?」

「…わたしは食べれないのでは。」

「そこは大丈夫!一緒にご飯食べたくて擬似消化器官も作ったから。」

「なんか…嫌ですね。」

「なんで!?」

「なんとなく」

そうこうしてるうちに、キッチンからいい匂いがしてきた。もちろん、“いい匂い”というのもプログラムされた感性に過ぎないが、気分は悪くない。

「ご飯を食べるときはいただきますって言うのよ!」

「……いた、だきます?…プログラム、更新完了。」

「お、ちゃんと覚えたね。じゃあみんなで、」

「「「いただきます」」」

こうして、ネーミングセンスの死んでる親2人とAIの娘1人の家族生活は幕を開けた。