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文芸部

2020.05.21

文芸部

第3回 リレー小説

こんにちは。天宮シオンと申します。
リレー小説3回目を担当させて頂きました。
このメンバーで初めての試みですが、楽しんで読んでいただければ幸いです!
そしてこの小説を読んで文芸部が気になった方。
部員一同入部を心よりお待ちしています!

「あら、ゆずじゃない」
「ほんとだ、こんな一大事に彼氏とデート?」
「ナミ姉に亮兄!」
この二人はどちらも柚月の親戚らしい。軽く言葉を交わして、こちらを振り向いた。
「あ、幼なじみの西条瑞樹」
「ども……」
「こんにちは、ゆずにもついに彼氏かぁ……」
「柚月ちゃんも大人になったね」
柚月の成長についてしみじみと黄昏ているが、生憎付き合ってないし、今はそんな場合ではない。柚月はナミさんと亮さんの腕を掴んで走り出した。ナミさんの靴は明らかに厚底で、少し走りにくそうにしている。
「ちょっ………ゆず! あんたどこ連れてく気よ!?」
「私の家の地下室!」
柚月の言葉に目を見開くナミさん。そりゃそうだ、何回も遊びに行ったことがあるぼくでさえ気がつかなかったのだから。しかし、亮さんだけは違う反応を示した。
「あぁ、確か柚月ちゃんのお父様が作ったやつだよね?」
「亮さんは地下室について知ってるんですか?」
「前に話を聞いたことがあってね、なんでも柚月ちゃんのお父様が一時期占いにハマったらしいんだ」
「占い? それって、怪しいもんじゃないでしょうね?」
ナミさんに疑いの目を向けられると、柚月は走りながらポツポツ話し始めた。四、五年前のある日、家に占い師を名乗るものが訪ねてきたこと、その占い師が柚月の父さんの未来を予言したこと、その予言は全てドンピシャに当たりすっかり信用しきって何かある度に未来を予言してもらっていたこと、その予言の中に「ここ数年で大規模な爆発が起き、町が混乱に陥れられる」と言うのがあり、それに備えて内密に地下室が作られていたこと……。
「でも地下室が完成したあたりでその占い師がどっか行っちゃって……結局いつ爆発が起きるのかわからなかったんだけど、まさか今日でしかも空中都市とは……」
「なるほど、……だから一年くらい柚月の家に遊びにいけない時期があったわけだ」
「そうなの」
なんとか頭で理解しながら、走り過ぎて疲弊してきた体を前へ前へと進める。ようやく柚月の家が見えてきた。柚月が鍵を開け家の奥へ進む。幸か不幸か、家の中には誰もいなかった。
「ここ、ちょっとした仕掛けがしてあるの」
そう言って天井くらいまである本棚の側面をいじり出す柚月。数秒後にはカチッと音がして、本棚が奥に動き横にスライドした。そこから地下に続くであろう階段が現れた。まるでカラクリ屋敷のようで、なんだかワクワクしてしまった。
「ちょっと待って、食料とか水とかは持って入らなくて大丈夫なの? それに、一度入ったら出られないなんてことも……」
不安そうにナミさんが尋ねる。今の仕掛けを見て、少し不安になったのだろう。
「それはないよ、私この家の仕掛け一通り教えてもらったから。食料や水なら地下室に長めに持つお菓子とか非常食とか置いてあるし」
「そう……ならいいわ」
柚月は階段で転ばないようにと忠告し中に入っていった。亮さんは少し低くなっている入り口に頭をぶつけていたけれど、それ以外は全員無事に地下室へと降りられた。

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