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文芸部

2017.11.01

文芸部

リレー小説 第1回!

来來です。
予告していたリレー小説のトップバッターを務めました。
今回は決められた基本設定の中、なるべく人物を増やさないようにという縛りがあったのでいつも通りに書くことができず難しい部分もありました。
でも、とても面白かったです。そして、今後どのように話を転がしてもらえるのかが今から楽しみで仕方ありません。
前置きが長くなってしまいましたが、どうぞリレー小説を最後までお楽しみください。
+++

 朝日に溶ける、丘の上の時計塔。その時計の針は日に二度しか正しい時刻を指さない。
さて、なぜ我が校は時計を直さないのでしょうか。
 答えは簡単。昨年、校舎の建て直しを行ったばかりの我が校にはお金がないのです。進学校でもない、若干落ちこぼれ気味の私立高校に寄付金は集まりません。校舎の建て直しすら、私たち在校生の家庭から費用を搾り取ってどうにかしたのです。これ以上、生徒たちの家からお金を取ろうとすると親がブチ切れますからね。学校側は当然そんなことは出来ないわけで。だから我が校には時計塔の時計を直すお金はないんです。
 おわかりいただけましたかね?
「沙夜香、誰に向かって話してるのさ」
「もちろん智志に」
 へー、と興味なさげに智志は前を向いてしまった。
 そうなんです。私たちは双子だっていうのに、たいして仲良くなく……まあ悪いというわけでもないのですが……。今日一緒に登校しているのも一年に三度あるかないかの貴重な、大変貴重なことなんです。
「……やか、沙夜香」
「はいぃ!?」
「あのさ、テストの成績どうだった?」
 なんてことを聞くんですか。勿論平々凡々に決まっているじゃないですか。
「僕はまあ、可もなく不可もなくって感じだったんだけど」
「私は全科目ほぼ平均点通り」
 私たちはなんだかんだ似ていて、とくにこう……地味というか、ありきたりというか、そういう点はそっくりなのです。だから、でしょうか?私たちが双子だということを知らない人も多いようです。おかしいですね……。私、自己紹介の時に智志のことも言ったはずなんですけど……。皆さん興味がないんですかね?あ、智志が特別格好良くもないから興味を失ったのでしょうか。
「失礼なこと考えてるだろ。おいていくからな」
「ええ!?まってよ。謝るからおいていかないで!」

♢♢♢
「よ、智志。今朝は珍しく一緒に登校してきたんだな」
「見てたのか」
「まあ、な。ほら、沙夜香さん可愛いから」
 それは君が沙夜香のことを好きだからってだけだと思うんだけど。
「可愛い云々はおいておくとしても、彼女は目立つじゃないか」
「そうかもしれないな」
 そういうことにしておいてやるよ。確かに、ツーサイドアップ(ハーフアップのツインテールバージョンみたいなやつ)にした髪型とかは目立つのかもしれないし。あんな髪型にしているところ以外はいたって平凡で目立たないと思うけどさ。
「いいよな沙夜香さん。綺麗だし、可愛いし」
「……今度紹介してやるよ。だから本題に入ってくれ」
「マジ!?サンキューな」
 沙夜香が君のことを気に入るかはまた別の話だぞ。
「ああ、本題はあの時計塔について、なんだけど」
 今朝、沙夜香も同じ話題を出していたと言ったら君は喜ぶのだろうか。別にそんな姿見たくもないから言わないけど。
「時計塔の時計を直さない理由が云々って話か」
「なんだ知ってたのか。あの時計を直さないのはあそこに幽霊がいるから、らしいぜ」
 馬鹿らしい。そんなもの、いるわけないだろう。
 でも、幽霊がいるという話をその後も色々なところから聞いたので、意外と皆信じているのかもしれない。

***
「ねえ沙夜香。聞いた?うちの学校、廃校になるかもしれないんだって」
「校舎の建て直しをしたばかりなのに?」
「それがね。建て直しをしたのは引き渡しの条件だとか、埋められていた骨を掘り出すためだったとか、色んな説があるんだけどとにかく純粋に建て直したわけじゃなさそうなの」
 やめてくださいよ、そんな怖い話。朝から身震いしてしまうではないですか。
「はー・廃校になったらどうしよう。せっかく三村と津島ちゃんがうまくいきそうなのに」
 そこですか!?もっと大切なこと心配しましょうよ。どこの学校に行こうかっていう方が他人の恋愛よりよっぽど大事じゃないですか。
 それよりも、今気になるのは時計塔や校舎の建て直しの謎です。ちょっと生徒会長さんに聞きに行ってみましょうか。きっと放課後なら生徒会室にいるはずです。ホラーでミステリーな内容でないと良いのですが……。

 夕暮れ時に窓の外に見える時計塔は綺麗なものです。橙色が時計の針に優しく映り込んでいます。それが一番きれいに見える窓は生徒会室のドアの正面に位置しているのです。偶然なのでしょうか。それとも計算していたのでしょうか。どちらにせよ、綺麗なことに変わりはないので私はこの場所が好きです。生徒会の役員の方が羨ましくなります。
 私が今から開けようとしているドアの取っ手にも夕陽の色が柔らかに差し込んでいて何とも言えない感覚に陥ります。なんて完成された空間なのでしょう。
 さて、いつまでも浸っていても仕方ありませんね。そろそろドアを開けるとしましょう。
「もう生徒会長なんてやめてやる!!」

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