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文芸部

2018.10.29

文芸部

1年生リレー小説がスタートします

11月から、1年生と2年生に分かれてリレー小説を書くことになりました。
タイトルは1年生が「青空」、2年生が「絵空事」です。
毎週月曜/水曜日にアップしますのでお楽しみに。
新入部員も随時募集しています!

ではさっそく、「青空」第1回をどうぞ。

******************************************
初回:天宮シオン

 俺、山田悠太はうんざりしている。何故うんざりしているているのか、その原因は約一時間前に遡る。

◇◇◇◇◇

「はぁー、授業終わったー! 陸、帰ろーぜ!」
「悠太くん、覚えてないんですか? 今日の放課後は修学旅行での行動班を決めるから残っとけって、鹿野先生が言ってたじゃないですか」
「あれ、そうだったっけ?」
 俺の親友の古木陸は、俺の反応に苦笑いした。陸はアホで運動しかできない俺とは真逆で、頭はいいけど極度の運動音痴。でも、お互いが出来ないことをうまくカバーしあえるから、一緒にいて凄く楽。そんな陸の話に出てきた鹿野というのは、俺たちの担任。厳しすぎず優しすぎずで、生徒からも保護者からもまあまあな人気を誇っている。
 修学旅行は、毎年決まって京都と奈良に行く。今年は一日目を奈良で、二日目と三日目を京都で過ごすらしい。
「お前ら席につけー。修学旅行の班決めするぞー!」
教室のドアを開けて、鹿野が入ってきた。その声に合わせて、みんなが席に戻り始める。
「ここからは学級委員に任せる。よろしくな」
「はい。では、最初に男女別々で二人組のペアを作ってください。そこから男女合わせて四人の班を作ります」
俺はもちろん、陸とペアを組む。このクラスは男子二十人、女子二十人の計四十人いるから、絶対に余りはでない。数分すると、全員ペアが決まった。
「では、ここから四人班を作ります。パパッと終わらせたいので、くじ引きにします。一番から二十番までの番号が書いてあるくじを使います。最初に女子のペアの代表者が引いて、その番号を覚えていてください。その後、男子のペアの代表者がくじを引いて、男女同じ番号同士でグループになってください」
学級委員がそう言うと、いつも席替えのときに使っているくじを取り出した。引くだけだからすぐに女子の番が終わり、男子の番となった。
「陸、お前がくじ引くか?」
「僕はいいですよ、悠太くんが引いてください」
「わかった。そんかわり、誰と当たっても恨みっこなしな!」
そう言ったのは良いものの、当たりたくない女子がいるのは俺の方なんだけどな。と思いながらくじを引くと、八番と書かれていた。
「え~、あんたと一緒なの?」
声がする方に振り返ると、そこには俺が当たりたくないと思っていた女子が。
「げっ···優香。お前と一緒かよ···」
「私だって嫌よ! ここまで一緒になるなんてね!」
「優香ちゃん、落ち着いて···」
 俺と言い合っているのは、片桐優香。こいつは小学校のときからの腐れ縁で、クラスは同じか隣、家も隣、グループをくじで組めば九割一緒の班になるという厄介者。そろそろ離れたいと思っているが、それはこいつも同じらしく、俺たちは顔を会わせる度にちょっとした口喧嘩をしている。
 その優香を止めているのが、蒼井さくら。ふんわりとした雰囲気を持ち、いつもぽわぽわしている。女子にも男子にもその雰囲気は人気で、俺もさくらのことは嫌いではない。
「何であんたとまた一緒なのよ、このストーカー男!」
「変な言いがかりつけんなよ! 付きまとい女!」
「はぁ⁉ あんたが言わないでくんない?」
「ゆ、悠太くんっ、一旦落ち着いてください!」
「優香ちゃんも、冷静になろ?ね?」
陸やさくらが、必死に俺たちをなだめてくれる。ふと気がつくと、班決めは終わって皆帰る支度をしている。
「とにかく! 班行動の時は足引っ張らないでよね!」
「それはこっちのセリフだぜ! 陸、帰んぞ!」
「さくら、帰るわよ!」

◇◇◇◇◇

 これが、俺がうんざりしている理由。優香と二泊三日同じ班なんて!まだ部屋が男女別なのはありがたかった。
「りーくー! 何でいつもこうなるんだよー!」
「僕にはどうにもできませんよ? すべて悠太くんの運によるものです」
「そうなんだよなー、何でかなー?」
「実は運命だった、とかなら面白いんですけど···」
「ばっ···お前何言ってんの⁉ 運命とかマジないから! 気持ち悪っ!」
「ですよね···」
ビックリした···普段陸はそんなこと言わないから余計驚く。陸は俺をからかわないって信じてたのに!
「冗談ですよ···すみません、そこまで悠太くんがふてくされるとは思ってませんでした」
「当たり前だろ?」
「でも、ここまで一緒とは結構スゴいですね。小学校では六年間中四年同じクラスで二年は隣のクラス。だけど、合同授業などで班を作ると必ずと言っていいほど同じ班に。中学生になっても、僕や蒼井さんも含めた四人はずっと同じクラスですもん。」
「陸がいるのはいいんだけどさぁ···何であいつらまでついてくるかな?」
正直、それが今の最大の悩み。俺たちはお互いに離れたいと思っているのに、全然離れられない。お陰で本当に運命とかだったりして···とか考えてしまう。
「修学旅行ではあまり喧嘩しないでくださいよ? 僕たちにも周りの人にも迷惑ですから!」
「わぁーってるよ」
「小学生の時もこのやり取りやって修学旅行当日に喧嘩してましたよね⁉」
「陸、俺ももう中三だぜ? 一々あいつの言うことに噛みつかねぇっての」
「···さっきガンガン噛みついてたのは、どこの誰でしたっけ?」
「うっ···」
「はぁ···お願いですから片桐さんに突っかからないでください。修学旅行くらい、楽しい思い出作りたいです」
「はいはい」
 そんなことを話しながら歩く陸との帰り道。その上には、雲がひとつもない綺麗な青空が広がっていた。修学旅行もこんな感じで綺麗にまとまるといいな···なんて思いながら、家に帰った。

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