卒業生メッセージ

上智大
T.O

高校で世界史に興味を持ち、それをきっかけに現在は大学で歴史学を専攻しています。

振り返ると、高校生活は勉強に打ち込む毎日でした。模試や定期考査に追われ、休む暇もあまりなかったように思います。

 そんな私にとって息抜きの場となっていたのが、理工学系の部活動である「理工学部」です。オープン・スクールでの実験ショーや、木材や機械を使った自由な工作など、「自由」をモットーに活動しており、やりたいことに全力で取り組むことができました。活動日が決まっていなかったため、勉強に疲れるとふらりと化学室に立ち寄り、仲間とおしゃべりをして最終下校まで過ごすこともよくありました。卒業から二年経った今でも、当時の仲間とは定期的に集まり、近況を語り合っています。あの「何気ない日常」が、かけがえのない思い出であり、心の支えとなっているのだと実感しています。

大学での歴史学の学びは、高校までのように知識を覚えるだけではなく、史資料をもとに歴史的事象を多角的に捉え、そこから歴史像を構築する力が求められます。歴史は過去の出来事にとどまらず、現代を理解する重要な手がかりでもあります。教科書に書かれたことも数ある学説のひとつに過ぎず、批判的な視点を持つことが大切です。

その土台となっているのが、高校での授業です。基礎から細部まで丁寧に教えていただいたことで、深く考えるための多くのヒントを得ることができました。知識の積み重ねは、大学での学びにおいて新しい視点を与えてくれますし、今も役立っています。

高校で学んだのは知識や技術だけではありません。充実した授業、整った環境、そして大切な仲間との出会いが、今の自分を形づくっています。この経験を胸に、大学生活でも自分の進むべき道に向かって歩み続けていきたいと思います。